Wii骨折、Wii炎、任天堂炎。
直訳するとこんな感じでしょうか。Wiiとか任天堂が病名の中に入ってるんですね。
内容をみてみると、Wii炎は腱鞘炎のことを、任天堂炎も腱鞘炎のことを指しているようです。
The New England Journal of Medicine という医学雑誌の最新号
という記事からです。Correspondenceです。
名前から察する通りなんですが、Wiiや任天堂のゲーム機を使って骨折や腱鞘炎を起こしたということが報告されています。
Wii Fracture(Wii骨折)
これが今回報告されているものです。
14歳の女の子がWii Fit balanceで遊んでいたらバランスを崩して転倒。足をひねりました。
レントゲン写真。
たしかに折れています。見えづらいですか。矢印の先に横方向に黒い線が入っています。骨折線といいます。
第5中足骨骨折ですね。Wiiやらなくても足をひねってこの骨折を起こす場合があります。日常診療ではよく見かけます。
幸いこの患者さんは手術をせずに治療できたそう。おそらくギプスで治療したんでしょうね。十分治りそうです。
Wiiitis(Wii炎)
ウィィイティスと発音するのでしょうか。読みづらい。
こちらは2007年6月にAcute WiiitisとしてNEJMに報告されています(NEJM -- Acute Wiiitis)。
このときは29歳の男性が右肩の痛みを訴えて病院を受診。調べたところ、Wiiテニスのやり過ぎによる右肩の腱鞘炎だったそうな。
本物のテニスさながらにWiiのコントローラーをぶんぶん振り回していたのでしょうか。
Wiiの場合は実際のテニスと違って、走ったりしませんよね。そうすると、体があまり疲れないからついついやり過ぎになってしまうようです。
Nintendinitis(任天堂炎)
こちらも同様にNEJMに1990年に報告されたもの。
当時流行っていた任天堂のビデオゲーム、スーパーファミコンのことでしょうか。それのやり過ぎによる親指の腱鞘炎です。
腱鞘炎というのは基本的にオーバーユース(使いすぎ)で起きるものです。
どちらの腱鞘炎もWiiをやめる、ビデオゲームをやめるという対処でよくなったそうですよ。一般の腱鞘炎と一緒です。
ことあるごとに一流医学雑誌にその名前を取り上げられて任天堂もいい迷惑かもしれませんね。それだけ普及しているということでしょうけど。
掲載されたこのCorrespondenceにはWiiが悪いなんてことはいっさい書いてありませんので誤解の内容に。
使い方によってはリハビリにも利用されているなんてことも書いてありました。要は使い方の問題ということ。
しかし、Correspondenceとはいえこうやって一流の論文に病名として登場するなんて任天堂は偉大な企業ですね。
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